壊死する前に、誘い水を

いまの局面は、東京の解除をおこなうかどうかだ。西村大臣は25日に検討の会議を開いて結論するという。その場合31日まで待たずに解除ということになるのだろう。小池都知事は、感染リスクをさげることを優先しているから、解除先にありきではなさそうだ。売上が2ヶ月無くて悲鳴を挙げている脆弱な業界のことを考えれば、政府は、解除することで政治責任を薄めたいところだろう。
感染者の数がさがった時期なら解除に同調する世論も期待できるので、決断のチャンスということらしい。
そう分析してみても、おいらは、ちっとも楽しくない。
解除されたらこれをしてみたいというような願望も思いつかない。伊勢丹が開いたら言ってみるつもりだが、殺到する客で入店何時間待ちとか、フルーツ売り場えは旬のチェリーが売り切れとかで、かえって消耗させられるかも。

解除によって人々は動き始める。
ものを買いに来るひとのために店はものを売り、サービスを求めるひとのために店はサービスを売る。
買う方も売る方も感染を避けたいので、感染を避けられそうなアイデアを取り入れる。
安心安全を高められるアイデアを使える商売はなんとかしのげるかもしれない。どうやっても人と人の接触を減らせないタイプの商売は、生き残れまい。

生業レベルを超えたビジネスでは、いままで使ってきたマーケティングが使えない。ターゲット層の消費者と想定できる層が溶けてしまったかもしれない。
いまの状況では、市場調査は出来ない。
コロナがある限りいままでどおりの生活スタイルではまずい、と人々は理解しているが、自分に合った新しい生活流儀を確立できるに至っていない。
市場は、どうしていいかわからなくなった消費者ばかりだ。
コロナ下の消費生活をリードするオピニオンリーダーもインフルエンサーもまだ登場していない。投網をかけるマーケティングで事業を成り立たせてきた企業も苦戦するだろう。

設備投資する賭けに出られる企業はほとんどないため、製造業も牽引力はない。すべての民間企業が気弱なままでは、火山灰に降られた農地のように、復活の新芽が生えてこない。

結局、今回の解除によって生まれる弱々しい経済活動だけでは、人々の苦境は乗り越えられないだろう。
干からびかけている経済の砂漠に政府部門が洪水のような大量の水を流し込むまで、苦境につぐ苦境が続くだろう。政府部門が優柔不断なら、苦境は終わらない。

解除しても、経済は再開しない。
人々が期待している解除は、経済のエンジンではない。
経済を再開させるには、エンジンと誘い水がいる。
エンジンとなるのは、いまかろうじて倒産せずに残っている企業群だ。
それに添加する巨額な誘い水がいる。GDPの1年分500兆円の誘い水がいる。
ぐずぐずしていると、抹消の経済が壊死し、全身に毒が廻って、エンジンそのものが壊死してしまうだろう。

解除にあわせてプロ野球やJリーグの再開時期を検討すると、さっきNHKでも報道されていた。スポーツは人々の娯楽と慰めにはなるかもしれないが、社会のエンジンではないんだけどね。
政府も経済団体もエンジンに点火する計画を検討しているのだろうか? 
経産省が、旅行クーポンに1兆5000億円の補助金をつける案を考えてるんだって? 
観光産業はエンジンになれそうにない。だって、人々はまだ旅行気分じゃないよ。 

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