伊勢丹再開。ブレーキとアクセル同時の時代

伊勢丹新宿本店が営業を再開したので、行ってみた。

館の出入り口は、入り口専用と出口専用に分けてあった。入場者の導線を管理するのだろう。入り口では検温と消毒を行っている。地下の食品売場は、年末の大売り出しと同じような買い物導線になっていた。売り場では行ったり来たりできるが、レジ周りではほぼ一方通行であった。
レジの仕組みも変えていた。以前は、レジに2人いて、一人が袋詰をしてくれたが、再開後は袋詰は客自身でやるルールになった。袋詰めに慣れない年寄りたちがもたもたするものだから、荷詰めカウンターのまわりが「密」になっていた。レジ要員を減らそうという目論見は、別のデメリットを起こしているとも言えるだろう。そもそも、伊勢丹新宿本店の食品売り場は、袋詰のサービスがあり、袋もビニールと紙の両方をふんだんに使う過剰包装が「売り」でもあったのだ。人件費の節約なんてケチな方針はこのデパートの客には不評だろう。
生鮮品の売り場の隣は、多数のケーキ屋やパン屋が出店しているゾーンだ。資生堂パーラーのメニューは、休業前と同じで、値上がりもなかった。パン屋のひとつが間に合わなったのだろうか、店を開いていなかった。数日後に開くとの張り紙があった。惣菜のテナントは休んでいるところはなかったが、以前に比べて品数が少なく、陳列ケースかスカスカのところもあった。

間にあわなかったか? テナントのパン屋さん

フロアの端に、ジュースを飲ませる店がある。下の写真は、その店の「一つおきに座ってね」のお願い表示。大きなバッテンを椅子に貼り付けるのは無粋だと考えたのであろ。英語で「keep social distancing」とある。日本語では「伊勢丹とあたらしいお買い物」とある。どうもこの表現は、ピンとこない。おいらが担当者なら、「伊勢丹でいままで通りのお買い物」にする。このほうが客の気持ちの慰めになる。

伊勢丹のジュースショップの「隣の席は空けてね」お願い
これは伊勢丹ではありません。バッテン椅子の事例

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いまコロナへの用心と再開再開を同時に行う。この状況は、アクセルとブレーキを同時に踏みながら進むようなものだ。

////////////////////////////////ちょっと脱線::::

アクセルとブレークを同時に踏みながら運転する術で、暴走族が好きなドリフト走行もできる。運転技術的には、「ヒールアンドトウ」と言う。かかとと足指先ということだ。かかとをブレーキにのせ、足先をアクセルにのせて車をコントロールする。ラリーレースの用語だ。

こんなかんじですが、
その社長さんは、かかとでブレーキ、
つま先でアクセルを踏むやりかただった。
ドライバーの好みなどにより異なるらしい。


50年前学生だったとき、18歳年上の知り合いの社長に「新車をテストドライブする。助手席に座ってみるか」と誘われた。彼は趣味でラリーの国際ライセンスを持つラリーレーサーで、いすずの1600GTRという車を買ったのだった。

社長のGTRはこんなシルバーだった

1600GTに乗る人も多くはなかったが、GTRになるとさらに稀だった。プロ仕様の車で後の時代になっても名車と讃えられた。彼は、その1600GTRの性能を、浅間山の麓を走る本物の山岳ラリーのコースを走って確かめるのに、おいらに声をかけたのである。深い森の夜、他の車が走るはずのない時刻に、曲がりくねったダートの林道を1時間ほども走り回った。ヘルメットをかぶった記憶がある。
林道の道幅は狭かった。ライトが照らしだす道は闇の中に吸い込まれて視界が遠くまで届かない。それはそれだけで恐ろしい。そこを社長は時速90キロで突っ込んでいった。そのGTRには直径が25センチの特別性のステアリング(なんと小さなワッカ!)につけらえられていた。まったく遊びがなく、握りしめた両手で1センチでもまわそうものなら、その微細な動きが前輪につたわる。その巧みなワザで、ダート道路の微妙な凹凸を避けて車をすっとばすことができるのだ。

夜の林道。こんなかんじ


カーブでブレーキを踏むとエンジンの回転数が落ちる。カーブを抜けて一瞬後にアクセルを踏み込んでも、立ち上がりのスピードは劣り、レースでは負ける。それゆえ、カーブに入るときに、かかとでブレーキを踏むと同時につま先でアクセルを踏んでエンジンの回転数を落とさず、高速でカーブを抜ける。カーブを抜けるときのエンジンの立ち上がりの鋭さを試してやろうというのがそのときの目的だったから、緩いカーブでも、きついカーブでも、このヒールアンドトーで、速度を落とさず駆け抜けるのである。助手席にシートベルトで縛り付けられている(まったくなんの役にもたたない)ナビゲーター役のおいらも、カーブが僅かであっても高速で走る慣性を全身にうけ、バランスを崩すまいと両足と尻で踏ん張る。これが数十分も続くと、脚の筋肉が悲鳴をあげ、くたくたになってしまう。
F1にくらべてラリーなどたいしたことはあるまいと高をくくっていたおいらは、小便をちびらなくてよかったと思ったくらいだ。終わったあとで、社長は行った。「乗せたら、どんな女でも、100パーセントおとせる」 

///////////////////////////脱線終わり

コロナ対策をやってる政府の人々が、ラリードライバーほどの巧みな運転をしてくれればいいのだが。。と話をまとめるのも、強引すぎるね。とはいえ、アクセルとブレーキは、どんな経営にもつきものでもある。それについて深い考察をしたことはないが、状況に応じて、自分の体が大きく揺さぶられるほどの決断を、間髪入れずやる、度胸は必要になる。乗せてる人の命がかかっているのは、どちらも同じだ。

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