日本の行政力は、劣っている

ホリエモンが、NHK世論調査で外出禁止や休業を強制できる法改正が必要と応えたひとが62%以上だったことに、「めちゃやばい風潮だ」ツイートした。そのツイートのコメント欄には「自営業や中小企業のこととか考えてないんだな」という意見が多かったそうだ。
おいらは、「外出禁止や休業を強制できる法改正」は正しいと思う。一人でもキャリアーがいるのは、社会の安全を脅かし、安心を損なうからだ。
商売が出来なくて困る人を助ける意味で商売を解禁するのは、現状では、商売よりも、感染を助けるのと同じである。小池氏は「自粛から自衛へ」と言っているそうだが、これも行政者としての無責任の極みである。
いま、商売の解禁は禁じ手だ。
商売できなくて困っている人を助けるなら、国が自治体が金を配るのが最良の方法だ。

日本と中国の対応の違いを論じる田代 秀敏(経済学者)論説が、講談社の現代ビジネスにあった。日本完敗というしかない事実を指摘していて悔しくもあるが、非常に良い指摘なので、引用する。

///////////引用(以下、カッコ内は、引用者の加筆)

(冒頭省略)
「真水」と呼ばれる実際の財政支出は約32兆円であり、第1次補正予算の「真水」との合計は約58兆円に達する。しかし、どれほど巨額でも自粛休業で収入を失った個々の企業や個人に届けられなければ、政権の自己満足に過ぎない。  実際、一人当たり10万円の一律給付金も雇用調整助成金も、持続化給付金も対応に手間取り、なかなか庶民や零細企業のもとには届かない。その対応のあまりの遅さ(が、日本の特徴だ)

(これに対し、中国では)

中国の恐るべき「即断即決」

凄まじいスピードで融資を実行していった photo/gettyimages

 話は4ヵ月前にさかのぼる。  武漢封鎖から14日後の2月6日、中国の超名門大学の清華大学そして北京大学が、中小企業995社を共同調査した結果が報道され、衝撃が走った。  都市封鎖で売り上げがなくなると手持ち現金で自分の企業を何ヶ月維持できるのかを調査したところ、「1ヶ月以内」と答えた企業が34%を占めたのである。つまり、封鎖が1ヶ月続くと中小企業の34%は現金が枯渇し、運転資金を追加調達できなければ廃業もしくは倒産を余儀なくされる。  持続可能期間が「2ヶ月」の中小企業は33.1%、「3ヶ月」は17.91%であるから、都市封鎖が2ヶ月続くと中小企業の67.1%が、3ヶ月続くと85.01%が、廃業か倒産に追い込まれることになる。中国でも雇用を支える主力は民営の中小・零細企業であるから、この調査結果は極めて深刻に受け取られた。  ところが、心配は杞憂に終わった。  武漢の封鎖は4月8日に解除された。封鎖開始から77日、つまり、2ヶ月と17日が経っていたが、地滑り的な廃業・倒産ラッシュは報道されなかった。理由は、中国当局の金融支援が恐るべきスピードで行われたからだ。  中小企業への金融支援について、中国中央電視台CCTVのニュース(2月26日)は、次の通り報じた。  「4大国有銀行のひとつである中国銀行の北京支店では、新型コロナウイルス感染を予防する防護服を生産するための資材を仕入れる資金を融資する案件の審査を依頼されたリスク管理部の副社長は、スマートフォン上のチャット・グループを通じて融資を申請してきた企業経営者や銀行の複数のスタッフと協議し、2時間ほどで審査を完了した」――。

純オンライン、全自動、無担保、実質催促なし…

写真出典:中国の経済メディア「新浪財経」のスマホアプリ「新浪財経客戸端」

 中国中央電視台CCTVのニュースはさらにこうも報じた。  「また、同じく4大国有銀行のひとつである中国農業銀行の浙江省台州市にある台州海門支店は、医療用光学レンズを生産する浙江水晶光電科技という民営企業が、緊急物資生産者リストに掲載されているので、中国の中央銀行である中国人民銀行の再融資枠を使って1億元(約15億円)の融資を面談の場で即決した」  この恐るべきスピードの背景には、潤沢な流動性の供給がある。  武漢封鎖から11日後の2月3日、中国人民銀行は、公開市場操作によって1.2兆元(約18.1兆円)を商業銀行に供給したのを皮切りに、2月4日に5000億元(約7.5兆円)、2月5日に300億元(約4500億円)、2月10日に9000億元(約13.6兆円)、2月11日に1000億元(約1.5兆円)と立て続けて資金を投入したのだ。  また再貸付操作によって3000億元(約4.5兆円)を商業銀行に供給し、重要な医療品や生活物資を生産する企業に対して優遇金利で信用を供与するように要求した。  こうした潤沢な流動性を背景に、中国の金融機関は迅速に融資の申請に応じた。とりわけ4大国有銀行のひとつである中国建設銀行は、「億元(約15億円)単位の融資案件を8時間で決める」と「建設銀行スピード」を誇った。  スマホ画面に現れる中国農業銀行の広告(写真)は、資金ショートを起こしそうな中小・零細企業の経営者に対し、純オンライン、全自動、無担保、実質催促なしのネット融資プランまで示している。  こうした「恐るべきスピード」が、中国の中小・零細企業の地滑り的な倒産ラッシュを防止している。  たとえ融資の不正申請や不良債権化が懸念されるとしても、中小・零細企業の倒産を少しでも防止する為に、融資を可能な限り迅速に行うことが最優先されていたのだ。

「知らないうちに資金が振り込まれた……」

 さらに中国には、日本とは比べ物にならない「恐るべきシステム」がある。  地方政府が地元の企業のビッグ・データを分析して、個々の企業の資金繰り等を常にリアルタイムで監視し、ある企業の運転資金が不足しそうになると、その企業の銀行口座に必要な額の資金が振り込むのである。知らないうちに資金が振り込まれた経営者は驚く。  2020年4月10日(金)日本時間午前7時から中国中央電視台CCTVが放送したニュース番組「新聞天下 MORNING NEWS」は、次の通り報道した。  中華人民共和国山東省の淄博(シハク)市の抗ウイルス薬を製造する「新華製薬株式有限公司」に対し、淄博市政府が171万元(約2600万円)の補助金を、補助金の申請がある前に、同社の口座に直接に振り込んだ。  淄博市政府の人力資源・社会保障局就業促進・失業保険科は、管轄の企業の人員削減率や失業保険還付金のデータをひとつにまとめ比較対照し、個々の企業の不足資金額を算出し、それと同じ金額の補助金を、当該の企業の銀行口座に直接振り込んでいる。  さらに淄博市政府は、1.5ヶ月間に、雇用安定補助金1.2億元(約18.3億円)そして大学卒業生の生活補助金2000万元(約3.05億円)を給付したーー。  人口470万の地方中級都市である淄博市でこれだけのことができるのであるから、北京(人口2154万)、上海(2428万)、広州(1404万)、重慶(3048万)、成都(1633万)、深圳(1253万)、杭州(1036万)などの巨大都市では、さらに高速かつ高度な中小・零細企業支援そして個人支援が行われていることは、想像に難くない。

何もかもケタ違い

PCR検査のスピード感も圧倒的 photo/gettyimages

 感染対策でも中国は超高速である。アリババやテンセントが開発した人工知能(AI)アプリケイションは、胸部のレントゲン写真などの情報から、1分未満で感染の可能性を判定する。  街中の至るところに貼られたQRコードをスマートフォンで読み取っていくことで、自分が感染したリスクが自動的に判定され、感染リスクが高くなるとスマートフォンの画面が赤くなり、どこにも立ち入れなくなる。  封鎖を解除した湖北省武漢市で集団感染が再び発生すると、5月14日から6月1日までの18日間で、全住民989万9828人を対象にPCR検査を行った。この超高速検査は、10人分の資料を合わせてPCR検査し、あるグループで陽性反応が出たら、改めて個々の資料をPCR検査するという巧妙な工夫によって実現された。  住民全員をPCR検査した結果、症状のある感染者は0人、無症状の感染者は300人(0.303%)であった。無症状感染者と濃厚接触した1174人の追跡調査が行われ、PCR検査をした結果、全員が陰性であった。武漢市政府は「武漢は最も安全な都市である」と宣言した。  武漢市で全住民のPCR検査が完了した翌6月2日、感染者が増加した東京都は「東京アラート」を出し、東京都庁とレインボーブリッジとは赤色でライトアップされた。

日本は再び「敗戦」を迎えるのか

 「国民の非能率だったこと、官僚の独善的だったことなど、いろいろな理由が綜合して戦争の敗因となった」  敗戦の翌月の1945年9月、原子爆弾によって焦土と化した広島で、安倍総理の祖父である岸信介の内閣の運輸大臣を後に務めた永野護(1890~1970年)は、こう講演した。  「国民の非能率」の例として永野護は、同年8月29日に厚木飛行場を占領したアメリカ軍が、横須賀から約40キロメートル離れた厚木までガソリンを運ぶパイプラインを施設するように日本の軍人に命じたところ「3年掛かる」と答えたので、アメリカ軍が自ら27時間で施設してしまった事例を挙げている。アメリカ軍が27時間で出来ることを日本軍は3年も掛かるのでは、敗戦は必然であった。  安倍総理は4月1日に、全世帯に布マスク2枚を配給すると宣言した。しかし、配布が終了したと厚生労働省が発表したのは、ようやく6月15日であった。布マスクの調達に184億円、配送に76億円がかかったことよりも、布マスクが入った宛先を記さない封筒を各世帯のポストに投函することに75 日も掛かったことに驚かされる。  安倍総理は、中小・零細企業や個人への資金援助を「スピード感を持って」すると何度も口にしてきた。しかし、多くの企業や個人には、いまだに振り込まれていない。このまま「第2波」が来たら、津波のような廃業・倒産ラッシュが起き、路頭に迷う人が大量に現れることが懸念される。  スピードの欠如で、日本は今度はコロナとの闘いに敗戦するのだろうか。

////////////////以上、引用終わり。

日本国の行政能力は、中国の行政能力に劣っていると感じる。などというと、「中国は荒っぽいことはできるが、取りこぼしが多く、きめ細かくないので総合力では日本が上だ」という、わけ知り顔の評論家が出てきて弁護する。弁護してもらえるから、当事者たちは、慌てて変えることはないと甘える。弁護は改善につながらない。社会と人々をますます停滞させるよう作用する。
ホリエモンの間違った考え同様、賢そうに見える言い分が解決の役にたたない屁理屈にすぎないことはよくあることだ。
見聞きする側がしっかり考えるしかない。

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