自粛解除は近いのか、遠いのか

24日金曜のテレ朝のモーニングショーで、長島一茂氏が、「ビタミンDとか武漢で中国がやった漢方とかも使って、コロナをはねつける力をつけるのがだいじ」とコメントしたので、少し驚いた。テレビ各局で、中医学の薬を使う話を聞いたのははじめてだ。日本のどの医者も、コメンテーターも「中医学の成果」について自ら進んで話すことはない。彼もこのブログを読んでくれてるのかな。

さて、反自粛論者の話をしよう。

アメリカでは、いくつかの州で、移動制限の解除を求めるデモが起きている。
ジョージア、アーカンソーその他では、州知事が経済再開をやろうとしている。トランプ大統領も経済再開に積極的だ。データがないのに、感染のピークをすぎたと主張している。
気持ちは理解出る。
仕事をして収入を得て家族を支えたい、
友達と飲んで騒ぎたい、
遊びたい、
あちこちを移動し訪ねたい、、、、
我慢なんぞやってられるか。

日本でも、反自粛論を言い放つ人々が出てきた。たとえば、神道占い師の羽賀ひかるという人の


「コロナウイルス自粛不要論と原油マイナスの衝撃」なるyoutube動画を見てみるとよい。自粛が不要だという彼の理屈は、
1:日本の死者が少ない。死んでるのは60歳以上の年寄ばかり。若いのはかかってもそうそう死なない。
2:感染者の半分は、日本国籍ではない。
ということで、どうやら、
・老人は死んでもいい
・日本人は死なない
ということらしい。
おいらには、じつに珍妙な意見に聞こえるが、こうした主張を喚いている人がいることは事実である。

この動画では、「ホリエモン、小林よしのり、橋下徹」などの名前をホワイトボードに書き出して、自説の反自粛と同じ意見の著名人としている。ホリエモン氏は確かに、そういうツイートをしている。小林よしのり氏もだ。橋下徹氏は、はっきりとは言わないが、そういう立場に理解を示している。権威者や著名人の名を挙げて自説を補強するのは常套手段だが、このユーチューバーの場合、述べている中身よりも、早口でまくしたてる演説の上手さの方に興味をひかれる。

演説と言うより、アジテーションだ。レベルとしては、
・歴史上有名な「鼻の下にちょび髭をつけたあの人物」ほどの強烈なそそのかしではない

知人ですか?


・「自分は大人物、正義を背負った人物、もっと認められてしかるべき人物」という強い自負心がありそうだ
という程度である。
ひとことで言って、この「反自粛論」が盛り上がって世論を逆転する可能性はなさそうに思えるが、じつは、反自粛論は、集団感染論を味方につけたとき、自粛をふっとばす理屈に変化する点に注意しておきたい。

それは、次のようなことだ。

集団抗体の形成

自粛と感染の状態は、次の5つに分かれる。

全員感染① 国民全員が抗体をもってしまえば、自粛の必要がない。(全員が、コロナウイルスをもつ、いわば、コロナゾンビになった状態)
感染中② 抗体保持者数>抗体未保持者数(少数派の未感染者だけが自粛せよ)
感染中③ 抗体保持者数=抗体未保持者数(未感染者だけが自粛せよ)
感染中④ 抗体保持者数<抗体未保持者数(多数派の未感染者だけが自粛せよ)
全員未感染⑤ 全員が抗体をもっていない。厳密な水際策で自粛の必要がない

という5段にわければ、いまは、感染中④の状態にある。
感染はいやおうなく「全員感染①」に向かって進むものであり、
「④③②の 抗体保持者が次第に増えていく・抗体未保持者が次第に減っていくプロセス」を経る。
この間、抗体保持者は、生物学的にも適者生存しえた者であり勝者であるから、かれらには、もう自粛する必要がないので、さきに自粛から解放すればよい。
未保持者は、抗体保持できるまで用心深く自粛していればいい。
つまり、先に自粛をやめていいものからどんどん自粛をやめればいい、という理屈が成立するのだ。

今朝の報道では、ニューヨークで3000人に抗体検査したところ、14%が抗体をもっていたようだ。これは人口に換算すると、260万人がすでに抗体をもっていることになる。医療崩壊に近いニューヨークでの延べ感染者数は25万人程度だから、いまの段階で、ほんとうは、すでにその10倍の感染が発生していたことになる。

東京での直近の報告では、


慶応病院がコロナ以外の通常の病気で入信しに来た患者64人にPCR検査を行ったところ、4人の感染が発見された。
つまりこれは、n数が少ないものの、およそ16人にひとり、つまり6%の市中感染率と暫定的にあてはめることができる。
東京の市中感染率は、いま、6%だという仮の値が初めて判明したということだ。

慶応病院

東京の市中感染率を6%と見る場合、人口に換算すると、68万人がすでに抗体保持者ということになる。
ふーむ。これで、ゴールデンウイーク後に、緊急事態宣言をとりさげることができるか?
あるいは、「6%の抗体保持者は、自粛をやめていいですよ。のこりの人は自粛していてね」というような、政策を取れるか?
そんなわけはない。

しかし、自分が6%に含まれると考える人は、全員に等しく行われる自粛を無視する方向に動き出すだろう。
抗体保持者とは、いわば、先に「自然ワクチン」をうてた人であり、未だの人は、感染という「自然ワクチン」をうってもらえる順番を待っている人である。
人工の安全なワクチンが開発されるには18ヶ月かそれ以上かかるそうだが、「自然ワクチン」は、死亡率がイタリアでは11%、日本では0.9%ながら、覚悟の上でいますぐ使える。こんな戯言めいた言い方は真面目な読者にはしかられるだろう。
自粛をやめようという人は、「他人は死亡率の中にいるが、自分は例外である」と考えることのできる、自己厨なひとのようだ。

簡便にできる抗体検査のキットが売り出された。これを使って抗体検査すれば、すでに抗体を持つ人を割り出せるという理屈から、「働いていい社員と、自粛させておく社員を見分ける」ために、企業が魅力を感じているらしい。いろんなキットがあるために、キットごとに精度がバラバラで、「医学的に当てにならないしろものだ」と、専門家から非難を浴びている。しかし、かまわず使い、「俺は抗体保持者だ」と堂々と自粛破りをする者があとをたたないだろう。

中国製コロナ検査キット使い物にならず、イギリス政府が返金を要求へ

使える抗体キットも出始めているが、、、、。

クラボウ製
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