我が身に降りかかるコロナ④

先週はじめ、web医事新報に、
「緊急寄稿;新型コロナウイルス感染症(COVIT-19)に漢方の役割」
という記事が出た。中国で現場に投入された「清肺排毒湯」(せいはいはいどくとう)の紹介だ。

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要点を引用する。(原文は上記で読めるよう、リンクをはってある)

【経緯】2019年度の内閣官房調査研究「『アジア健康構想』実現に向けた東洋医学のエビデンス作成に向けた実証可能性等調査」の構成員等の中国・韓国・台湾における伝統医学の専門家から情報を得ることにした。そうしたところ,即座に各国におけるCOVID-19に対する伝統医療のガイドラインが送られてきた。特に中国は政府機関のガイドラインに伝統医療治療が組み込まれている。

【中国の実行したこと】中国においては,政府が主導して新興感染症に対する中医薬を作成し,それを使うことに,西洋医学の医師も患者も抵抗がない。その背景の中で、COVID-19に対して,中国政府は国務院通知として,「新型冠状病毒肺炎診療方案」を発表している。3月3日に発表された最新の「試行第七版」でも中医治療の詳細なガイドラインが示されている5)。今回は(2009年の新型インフルのときにも漢方の活用をためしたのに引き続き)新たな処方である「清肺排毒湯」を開発し,積極的に現場で使うよう政府が主導した。既に2月19日には国家中医薬管理局が,10省57病院で確認されたCOVID-19患者701例に対する「清肺排毒湯」の治療成績を発表している6)。それによると130例が治癒・退院し,51例は症状が消失,268例は改善,212例は悪化しなかった。結論として,COVID-19治療に優れた臨床効果を持つ,として開発の経緯が記載されている。学術的な評価は,いずれ英文学術誌に掲載されるであろう。

中国における新型冠状病毒肺炎診療方案第七案の中医治療ガイドライン

新型コロナウイルス肺炎は中医学の「疫」の病の範疇に属し,病因は「疫戻」の気を感受することである。各地では病状,気候の特徴,患者の体質の違いにより以下のガイドラインを参考に辨証論治を行うことができる。中国薬典記載用量を超えるものについては,医師の指導下で使用するものとする。

1. 医学観察期
臨床症状1:胃腸の不調を伴う倦怠
推奨される中薬製剤:藿香正気カプセル(丸剤,水剤,内服液)

臨床症状2:発熱を伴う倦怠
推奨される中薬製剤:金花清感顆粒連花清瘟カプセル(顆粒),疏風解毒カプセル(顆粒)

2. 臨床治療期(確定症例)
2.1 清肺排毒湯
適用される患者の範囲:各地域の医師の臨床観察と結合し,軽症,中等症,重症患者に適用する。危篤患者の治療については実際の状況にかんがみ合理的に使用する。
基礎方剤:麻黄9g,炙甘草6g,杏仁9g,生石膏15~30g(先煎),桂枝9g,澤瀉9g,猪苓9g,白朮9g,茯苓15g,柴胡 16g,黄芩6g,姜半夏9g,生姜9g,紫菀9g,款冬花9g,射干9g,細辛6g,山薬12g,枳実6g,陳皮6g,藿香9g
服用法:生薬を水で煎じ,1日1剤を朝夕(食後40分)各1回に分けて温服する。3日間を1クールとする。
条件があれば毎回服用後に米の粥を茶碗半杯飲む。舌が乾き,津液が不足している患者は茶碗1杯を飲む(注:発熱のない患者については生石膏の用量を減らし,発熱や高熱の場合は用量を増やす)。症状が改善したが完治はしていない患者については2クール目を服用する。
患者に特殊な事情や基礎疾患がある場合は,実際の状況に応じて2クール目の処方内容を調整し,症状が消失すれば服用を中止する。
処方出典:国家衛生健康委弁公庁 国家中医薬管理局弁公室『中西医結合新型コロナウイルス肺炎治療における「清肺排毒湯」使用推奨についての通知』(国中医薬弁医政函 [2020] 22号)。

2.2 軽症
(1)寒湿鬱肺証
臨床症状:発熱,倦怠,全身筋肉痛,咳嗽,喀痰,胸苦しく息がしにくい,食欲不振,消化不良,悪心,嘔吐,便が粘り排便不快。舌質は淡,腫大,歯痕があり,色はピンク。舌苔は白厚腐膩または白膩。脈は濡または滑。
推奨処方:生麻黄6g,生石膏15g,杏仁9g,羌活15g,葶苈子15g,貫衆9g,地龍15g,徐長卿15g,藿香15g,佩蘭9g,蒼朮15g,雲苓45g,生白朮30g,焦三仙各9g,厚朴15g,焦檳榔9g,煨草果9g,生姜15g
服用法:1日1剤,600mLの水で煎じ,朝昼夕3回に分けて食前に服用する。

(2)湿熱蘊肺証

臨床症状:微熱あるいは平熱,微悪寒,倦怠,頭重,身体が重い,筋肉痛,喀痰の少ない乾性咳嗽,咽頭痛,口渇で水分を欲しない,時に胸苦しく詰まる感じ,汗がないか出づらい,悪心,食欲不振,便が緩い,もしくは粘り排便不快。舌はピンク,舌苔は白厚膩または薄黄。脈は滑数または濡。
推奨処方:檳榔10g,草果10g,厚朴10g,知母10g,黄芩10g,柴胡10g,赤芍10g,連翹15g,青蒿10g(後下),蒼朮 10g,大青葉10g,生甘草5g
服用法:1日1剤,400mLの水で煎じ,朝夕2回に分けて服用する。

2.3 中等症
(1)湿毒鬱肺証
臨床症状:発熱,喀痰の少ない咳嗽,時に黄色い喀痰,息苦しく呼吸が荒い,腹部膨満感,便秘,排便困難傾向。舌は暗赤色,腫大,舌苔は黄膩または黄燥。脈は滑数脈あるいは弦滑。
推奨処方:生麻黄6g,苦杏仁15g,生石膏30g,生薏苡仁30g,茅蒼朮10g,広藿香15g,青蒿草12g,虎杖20g,馬鞭草30g,乾芦根30g,葶藶子15g,化橘紅15g,生甘草10g
服用法:1日1剤,400mLの水で煎じ,朝夕2回に分けて服用する。

(2)寒湿阻肺症
臨床症状:微熱,身熱不揚(熱感があるが体表部には現れない)または発熱しない。喀痰の少ない乾性咳嗽,倦怠,胸苦しい,胃膨満感,または悪心嘔吐,下痢。舌質は淡またはピンク,舌苔は白または白膩,脈は濡。
推奨処方:蒼朮15g,陳皮10g,厚朴10g,藿香10g,草果6g,生麻黄6g,羌活10g,生姜10g,檳榔10g
服用法:1日1剤,400mLの水で煎じ,朝夕2回に分けて服用する。

2.4 重症
(1)疫毒閉肺証
臨床症状:発熱して顔が赤い,咳嗽,喀痰は少なく黄色く粘る,または喀痰に血が混じる,呼吸が苦しく喘ぐ,疲労倦怠,口は乾き,苦く粘る,悪心,食べられない,排便困難傾向,尿量は少なく,色は深い黄色か赤みを帯びている。舌は赤,苔は黄膩,脈は滑数。
推奨処方:化湿敗毒方
基礎方剤:生麻黄6g,杏仁9g,生石膏15g,甘草3g,藿香10g(後下),厚朴10g,蒼朮15g,草果10g,法半夏9g,茯苓15g,生大黄5g(後下),生黄耆10g,葶藶子10g,赤芍10g
服用法:1日に1~2剤を水で煎じ,100〜200mL/回を1日2~4回服用または経鼻投与する。

(2)気営両燔証
臨床症状:高熱で激しい口渇,呼吸が苦しく喘ぐ,意識が混濁し,譫言が出る,物が見えにくい。時に発疹,吐血喀血,鼻出血,痙攣などがみられることがある,舌は深紅,舌苔は少ないか無苔,脈は沈細数,あるいは浮大かつ数。
推奨処方:生石膏30~60g(先煎),知母30g,生地30~60g,水牛角30g(先煎),赤芍30g,玄参30g,連翹15g,丹皮15g,黄連6g,竹葉12g,葶藶子15g,生甘草6g
服用法:1日1剤,水で煎じる。先に石膏と水牛角を煎じ,後に残りの生薬を入れる。100~200mL/回,日に2~4回服用または経鼻投与する。
推奨される中薬製剤:喜炎平(Xiyanping)注射液,血必浄(Xuebijing)注射液,熱毒寧(Reduning)注射液,痰熱清(Tanreqing)注射液,醒脳静(Xingnaojing)注射液。効能が近い中薬製剤であれば患者の状況にあわせて1種類を選択,臨床症状によっては2種類を併用してもよい。中薬注射液と生薬の湯液は合わせて使用できる。

2.5 重篤
内閉外脱証
臨床症状:呼吸困難,動くと息があがる,または換気療法が必要,せん妄,不安,興奮,汗が出て四肢が冷える,舌は紫暗,舌苔は厚膩または燥,脈は浮大で無根。
推奨処方:人参15g,黒順片10g(先煎),山茱萸15g。上記を煎じた湯液で中薬の蘇合香丸または安宮牛黄丸を一緒に服用する。
換気療法実施時に腹部膨満,便秘などを伴う者は生大黄5~10gを使用できる。患者-人工呼吸器非同調が発生し,鎮静薬,筋弛緩薬を使用している場合は,生大黄5~10g,芒硝5~10gを使用できる。
推奨される中薬製剤:血必浄(Xuebijing)注射液,熱毒寧(Reduning)注射液,痰熱清(Tanreqing)注射液,醒脳静(Xingnaojing)注射液,参附(Shenfu)注射液,生脈(Shengmai)注射液,参麦(Shenmai)注射液。効能が近い中薬製剤であれば患者の状況にあわせて1種類を選択,臨床症状によっては2種類を併用してもよい。中薬注射液と生薬の湯液は合わせて使用できる。

注:重症と重篤症例での推奨される中薬注射剤の用法
中薬注射剤の使用は薬品説明書に従って少量から開始し,段階的に調整することを原則とする。推奨される用法を下記に示す。
ウイルス感染または軽度の細菌感染合併の場合:
0.9%塩化ナトリウム注射液250mL+喜炎平(Xiyanping)注射液100mg bid,または0.9%塩化ナトリウム注射液250mL+熱毒宁(Reduning)注射液20mL,または0.9%塩化ナトリウム注射液250mL+痰熱清(Tanreqing)注射液40mL bid。
高熱で意識障害を伴う場合:
0.9%塩化ナトリウム注射液250mL+醒脳静(Xingnaojing)注射液20mL bid。
全身性炎症反応症候群および(または)多臓器機能不全の場合:
0.9%塩化ナトリウム注射液250mL+血必浄(Xuebijing)注射液100mL bid。
免疫抑制の場合:
ブドウ糖注射液250mL+参麦(Shenmai)注射液100mLまたは生脈(Shengmai)注射液20~60mL bid。

2.6 回復期
(1)肺脾気虚証
臨床症状:息が短く,倦怠疲労,食欲不振,悪心嘔吐,胸腹部のつかえ,排便に力が入らない,便が緩く排便不快,舌は淡,腫大,舌苔は白膩。
推奨処方:法半夏9g,陳皮10g,党参15g,炙黄耆30g,炒白朮10g,茯苓15g,藿香10g,砂仁6g(後下),甘草6g
服用法:1日1剤,400mLの水で煎じ,朝夕2回に分けて服用する。

(2)気陰両虚証
臨床症状:疲労,息切れ,口の乾燥,口渇,動悸,多汗,微熱または平熱,喀痰の少ない乾性咳嗽。舌は乾燥して水分が乏しく,脈は細または虚,無力である。
推奨処方:南北沙参各10g,麦冬15g,西洋参6g,五味子6g,生石膏15g,淡竹葉10g,桑葉10g,芦根15g,丹参15g,生甘草6g
服用法:1日1剤,400mLの水で煎じ,朝夕2回に分けて服用する。

/////////////////////////////////////////引用終わり

なにこれ。と普通に思う人も多いだろうが、中国ではコロナに対して「清肺排毒湯」という漢方薬が新たに発案され、効果が確定された、というのである。

中国だけでなく、韓国でも台湾でもそれぞれ独自に同列の漢方処方が確定され、ガイドラインとして提示さている。そのガイドラインは、上にリンクした原文にある。

この記事をまとめた渡辺教授(横浜薬科大学特別招聘教授、元慶応大学医学部客員教授)は、日本でも使えるとして、以下のようにまとめている。

【COVID-19に対する漢方治療活用の実際】

日本の医療事情を考えると,重症化した患者の治療を漢方で行うのは現実的ではない。漢方が貢献できるとしたら,以下の2つの状況下においてであると考える。①ハイリスク患者の感染予防,②軽症患者の重症化予防。

①のハイリスク患者の感染予防は,漢方治療で最も重視する「未病の治療」である。『黄帝内経』の説く「気を増す」,すなわち生体防御能を増すことが漢方の役割と考える。
②の軽症患者の重症化予防は,感染徴候が少しでもあったら,ごく初期の症状を見逃さずに早めに葛根湯,麻黄湯を服薬する。高齢者は熱産生が弱いので麻黄附子細辛湯が良い。」

と述べている。

わかりやすくいえば、コロナっぽい症状を自覚したときに使えばよい、ということである。
どういうことか?
おいらの理解は、つぎのようなことだ。
コロナにかかったかもしれない恐れがあるとき、相談センターに電話すると、「37.5度が4日間出てますか?」とか尋ねられる。そもそも、4日たっていなければ、そこでアウト。「4日間37.5度出ていたら、コロナ専用のクリニックを紹介してあげます。そうなるまで自宅でじっとしててください」と返事される。つまり、治療のルートに乗れないのである。その4日間に、体内のウイルスが繁殖する。つまり、この4日間は、医学者がペトリ皿で実験的にウイルスを増殖させることとおなじことを、おいら自身の体内でやらされるのである。感染研の医学者たちは言っている。「初期の初期に検査したって、みつかりはしない。もっと増えた段階でないと、みつからない」
こうして、おいらは4日間を損する。
そして、めでたく4日間の37.5度の連続発熱があり、たえまなく咳が出る状態になり、肺炎の兆候が見えたら、ようやく、「では見てあげましょう」になる。電話でそう言われてから、係の人が、受付可能な診断センターを探し、予約がアポイントされる。その予約申込作業に1日か2日かかる。その待ち時間のうちに、ウイルスはどんどん増殖する。
治療を受けられる列にならぶまでに、合計5~7日はかかる。
治療の列に並べても、なにかの事情で、間髪おかずアビガンを投薬されなければ、待ち時間はさらに伸びる。



この待遇は、喜ばしいことか?
ちがう。
待ち時間なしに、初期の初期のときにガツンと適確な治療をしたほうが良いに決まっている。そのほうが個体としては、100倍早く治る。

しかし、日本がいまやっている路線は、「ちゃんとコロナになったことを証明できたら、個体の治療を開始しましょう」ということだ。これでは、患者は《実験動物》扱いといえる。専門家会議や諮問会議は、「コロナでないニセ患者に医療資源(ひと、モノ、時間)を投入すると、かんじんのコロナ患者を治療するときには、すべてを使い果たして何にもできなくなるので、心配だけで大騒ぎしているニセ患者を検査のルートに乗せない」という立場を固守しているのだ。「どうせ、8割の患者はほおっておいても軽症のまま、重篤化せずに治癒するのだから、かれらに貴重な薬や医療資源を割くのは無駄だ」と考えているのである。
「モノや人員や金がないなら、ケチケチ使うしかないだろう」というのである。敵が強くて長期戦になったら、資源が枯渇して野垂れ死にするタイプの作戦なのである。戦う資源を逐次投入してズルズル引っ張っていくのは、かつての戦争での失敗の本質だったそうだが、今回もどこか似ている。

アビガンは、コロナに罹ってしまったあとで、ようやく使ってもらえるのに対し、清肺排毒湯は、漢方薬なので、手元にありさえすれば、患者自身が自分のタイミングで飲み始めることができる。


各生薬の配合率は新規のものなので、既製品はない。特別に煎じてくれる漢方医に頼むしかない。少ないながら、そういう漢方専門医や漢方薬局がある。
自費にはなるが、購入して手元に置いておくことができる。そもそも、アビガンは買えないのだから、この「清肺排毒湯」を手に入れておくことは、初期の初期のコロナを討つために、免疫力を高める巧妙な手段となる。

漢方や中医学という医療の方法論は、信じる人と信じない人とでは、まったく受け取り方が違う。好きな人は好きだが、嫌いな人は嫌いである。嫌いな人は、漢方を軽蔑さえする。一方、漢方の恩恵を受けた経験のある人は、排他的に西洋医学を信じる医者を、「自分が病気になれば、西洋医学だけでは救われないとわかるさ」と、見下す。
今回の場合、中国の伝統医学の材料を使って、効奏度のかなり高い薬を作ったのは事実だ。一例報告ではなく、nの量も多い。漢方は科学的に実証されてないと思い込んでいる頑固な西洋医学者と、中国嫌いのネトウヨ的コメンテーターが反対論をはることはできるだろうが、「清肺排毒湯」は、万が一のときのために、手元に置いて、いつでも使えるようにしておくべきだ。

おいらは、和漢方も、韓方も、中医学も拒まない。スリランカで購入したアーユルベーダの塗布薬も気に入っているが、これも、長い伝統の生薬知識にのっとった薬である。西洋薬の機序とは全く異なるが、よく効くので重宝している。

今回のコロナで中国で処方され治療に開発された「清肺排毒湯」も、いちはやく手に入れた。いつでも使える状態にある。中国で試された強い兵隊を、我が免疫兵力の援軍として使うのである。あれま、中国の援軍を受けるなんて、ネトウヨを刺激しそうだ。
とはいえ、そんな非難はくそくらえだ。
これで、コロナにかかった後のアビガンを待たされているあいだの空白期間を、戦えるのだから。

おいらがどこで清肺排毒湯を入手したかは、掲載しない。web医事新報の記事を読めば、推察はつくだろう。

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